透析生活
腹膜透析を始めてから4回目の海外旅行です(*⌒▽⌒*) これまでの3回の旅行は全てアジアでしたが、今回は初のヨーロッパ! 今までの旅行との大きな違いは、飛行時間と旅行期間が長いということでした。 直行便でも約12時間飛行機に乗っていないといけないので、 機内で透析液を交換するための手続きが必要になったのですが、 テロ対策で液体の持ち込みが制限されている現状を考えると 思っていたよりも簡単に許可がもらえたように思います。 もうひとつ、1日約7kgの透析液が必要な私にとって、 9日分+α(予備用)の透析液全てを持参するのは重さの点で難しかったので、 事前にイタリアまで透析液を送るための手続きをしなくてはならなかったのですが、、、。 これが本当に大変だったんです~(>_<) 私が今使っている透析液はテルモ社のミッドペリックなのですが、 これはイタリアで認可された医薬品ではないため テルモ社が前面に出て透析液を送ろうとすると問題が生じてしまうそうなんです。 どうやら、商業用と受け取られてしまうみたいですね~。 というわけで、透析液は個人的に送ることになったのですが、 今度はその受け取り先を探すのに苦労しました(-_-;) 最初は旅行会社の現地支社に受け取っていただけたら、、、と軽く考えていたのですが、 どうやら私の考えは甘かったようです。 大手の旅行会社何社かに問い合わせたのですが、完全に門前払い状態。 大企業というものは本当に冷たいものなんですね~(T-T) 次に宿泊先のホテルに直接交渉することを考えたのですが、 国内旅行で日本のホテルに透析液を送る場合でも1週間も預かっていただくのは難しいのに、 海外のホテルに1週間も10日もお願いするのは無理だろうという話になりました。 どうしようかと困っていたところ、偶然ネットで見つけた「パーパスジャパン」という旅行会社が 透析液の受け取りを引き受けてくれることになりました(^-^) 「これでひと安心!」とホッと胸をなでおろして、 予備用も含めた必要な透析液77kgから持参する37kg分を引いた 40kgの荷物を20kgずつ2つに分けて郵便局から送ったのですが、、、。 1週間で到着するはずの荷物が10日経っても2週間経っても届かないんです( ̄□ ̄∥) 日本の郵便局に問い合わせても「イタリアのことまではわかりません」とのお答え。 受け取り先のイタリアの旅行会社の方にイタリアでの状況確認をお願いしたのですが、 イタリアの郵便局員はあまり真剣にとりあってくださらないそうなんですよ! 結局、透析液が到着したことが確認できない以上は自分で持っていくしかなく、 予備分は諦めて最低必要量の63kgを持参することになりました(>_<) そして、、、。 「事前にこれだけいろいろあったのだから旅行そのものはきっと順調だろう」という 淡い期待が裏切られるのに長い時間はかからなかったのです~(T▽T) 午前中、成田空港の救護室をお借りして、透析液の交換を行ないました。 透析液の交換を終え、出発ロビーで自分たちの搭乗する便を確認してビックリ(ё o ё)! 数日前に旅行会社から連絡があり、 「13時発のミラノ行きが、夏時間のため14時発に変更になった」と聞いていたのですが、、、。 ところが「14時発のミラノ行き」なんてどこにもないんですよ~( ̄□ ̄∥)! 何度見直しても、ミラノ行きは13時発しかなく、14時発はローマ行き。 初っ端からトラブル発生です!!! 急いで旅行会社に電話をして状況をお話すると、今度は担当者の方が焦ってしまわれて。 だって13時発の便だとしたら、もう搭乗手続き済ませないといけない時間ですものね。 結局、私たちが乗るのは「14時発のローマ行き」だということが判明したのですが、 ローマのフィウミチーノ空港に行くなんて夢にも思っていなかったので ナポリへの乗り継ぎのためにはどこへ行けばいいのか ハッキリとわからないままの出発となってしまいました。 ということで、今回の旅行の行程はこんな感じになりました。→ 緑が飛行機、赤が車、青が船での移動です。 因みに太字の都市が今回行くところ♪ 今回「アリタリア航空」を利用したのですが、 日本人の常識から考えると信じられないことが3つ。 1 完璧に重量オーバーの荷物に対して、 超過料金をおまけしてくださったこと! 2 客室乗務員の半分が男性だということ! 3 機内では食事を配る以外のサービスはなく、 飲み物も乗客が自分で取りに行ったこと! (しかも客室乗務員は眠ったりおしゃべりしたり本を読んだり、 とにかく自分のことをしてました。) 離陸して1時間もすると、もう食事が出てきちゃうんですよ~(^O^;) お食事やお茶を配る仕事は、スチュワードもスチュワーデスも平等のようです。 日本の場合は客室乗務員=女性という感覚がありますが、イタリアでは違うんですね~。 客室乗務員の仕事には力仕事も多いと聞くので、これはとても良いことだと思います。 機内食はこんな感じです。(左がイタリアン、右が和食です。) 味のほうは、、、う~ん、まぁ機内食ですから、こんなものでしょうか(^-^;) やっぱり私には味が濃いので、半分以上残しちゃいました。 で、食べ終わると機内は電気が消され「お休みモード」になります。 周りが暗くなって乗客が眠ってしまえは客室乗務員の仕事も減るでしょうから、 確かに効率的といえば効率的なんでしょうけど、日本時間でまだ16時くらいですよ~! いつも仕事で走り回っている時間に、いくらなんでも眠れませんって。 ローマまでの飛行時間は12時間40分だったので、 ビジネスクラスのお手洗いを借りて機内で2回透析液の交換を行ないました。 ローマにはイタリア時間(夏時間)の19:40分(日本時間で 翌24日の深夜2:40分)に到着の予定。 でもこのお食事が出てきたのは 着陸の1時間半くらい前なんですよ~。 とってもあわただしくお食事しました。 それにしてもリンの塊のような食事でしょう!?残念ながらほとんど残しました。 もう少し平均的に出してくれれば嬉しいのに、、、。 ローマに到着したのはちょうど日が沈むときで、夕日がとても美しかったです(^-^) 予定通り、イタリア時間の19:40頃にローマのフィウミチーノ空港に到着しましたが、 私と母はここから更にイタリアの国内線飛行機に乗って ナポリのカポディキーノ空港まで行かなければなりません。 21:40発の便なので乗り継ぎ時間はたっぷりあるはずのですが、 成田を出発する直前までミラノのマルペンサ空港で乗り換えだと聞いていたので、 ローマのフィウミチーノ空港のことなんて何も調べていなかったんですよね~(-_-;) なのでちょっと焦りつつガイドブックを片っ端から探して、空港の簡略図を見てみると、 どうやら到着したターミナルとは別のターミナルに移動しないといけないようなんです。 そこで、空港の職員の方にどこへ行けばいいのか英語で聞いてみたのですが、、、。 相手の方が何を言っているのか、私には分からないんですよ~(T◇T) 「ローマは国際空港なんだし、英語で何とかなるだろう」という私の考えは甘かったようです(><) とりあえず私の言っていることは理解していただけているようなのですが、 相手の方の話されるイタリア訛りの英語を、私が理解できなかったんです(><) 私は英語ベラベラというわけではありませんが、 今までの海外旅行では困らない程度には会話ができていたのですが、 巻き舌とイタリア単語の混ざった英語は本当に難しく、 身振り手振りと念のために購入しておいた「旅の指さし会話帳 イタリア」を活用し 何とか目的の搭乗ゲートまでたどり着くことができました(^o^;) ナポリ行きの飛行機は約20分遅れで出発しましたが、 飛行機から見える夜景はキラキラと本当に美しく(*^▽^*) 「ステキな夜景も見られたし、気分も新たに楽しもうね♪」と母と話したのですが、、、。 この後、そんな期待を見事に裏切る今回最大の悲劇が待っていたのです~(T◇T) ナポリに着き、成田で預けた透析液入りの3つの荷物を受けとるために待っていたのですが、 2つはすぐに出てきたのに残りの1つがいつまで経っても出てこないんですよ。 「もしや、、、(¬_¬∥)?」という嫌な予感と共に暫く待っていましたが、 やはり荷物は出てきません。 仕方なくアリタリア航空の窓口に行って、英語でトランクがないことを告げました。 トランクの形式と色、荷物に付いているはずの番号、 それからプライオリティーのタグが付いていることも伝えましたが、 時間が23時近かったこともあり、職員の方も「これ以上何もできません」と言う状態で、、、。 結局今晩宿泊するナポリのホテルと、明日・明後日宿泊するカプリのホテルを聞かれ、 トランクの鍵も預けるよう言われました。 「では見つかったら届けますから」と話を打ち切ろうとされたので、英語の診断書を見せつつ 「この荷物には大事な薬が入っていて、これが見つからないと 私は旅行を続けることができないんです!」と訴えてみました。 が、職員の方は診断書をチラッと見ただけで、「大事なものが入っているのはわかった。 明日連絡します。」と言うのみ! 早く話を終わりにしたいという態度は明らかでした。 このときばかりは、私、本当に泣きたくなりましたもの~(T◇T#) とりあえず4日くらいは残りの2つの荷物に入っている透析液で何とかなりますが、 その後のことを考えると気分は落ち込んできます。 結局、透析液はおろか生活必需品のことも取り合ってはもらえないまま、 仕方なくホテルに向かうことにしたのですが、、、。 今度は迎えに来ているはずの車が見当たらないんですよ( ̄◇ ̄;) 踏んだり蹴ったりとはこういうことを言うんでしょうね。 私たちの名前を書いたプレートを持った英語の話せるドライバーが待っているはずなのに、 そこにいるのは「HIS」という紙を持ったイタリア語しか話せない男性のみ。 でも残っている乗客は私たちだけですし、残っているドライバーも彼だけなんです。 ホテルの名前を告げると「OK、OK♪」と言いながら(←ここだけ英語です)送ってくれました。 ホテルについて部屋に入ると、私も母もグッタリ、、、。 母なんて1日で白髪が増えてしまったように見えます。ゴメンナサイ(>_<) 化粧をきちんと落とすこともお肌の手入れをすることもできず、 着替えの下着も無いので同じものをもう1日着続け、母のTシャツをパジャマ代わりに寝ました。 しかも透析液を節約するために、1日4回の交換を3回に減らして、、、。 こうして、本当に惨めで悲しく不安な気持ちのまま、 写真を撮ることもすっかり忘れて波乱の1日目は終わりました。 イタリア旅行記トップへ イタリア旅行記2日目へ